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【レビュー】ロジクール Wireless Keyboard K270

●はじめに

 久々の入出力装置レビュー、本日取り上げるのは、ロジクールから最近発売されたキーボード「Wireless Keyboard K270」(以下「K270」と略す)です。このキーボードは無線製品の中では「エントリー」クラスの製品であり、なんと発売から一ヶ月程度の時点で、ネット通販価格が1910円でした。下手な有線キーボードより安いですね。

 お値段はあまりに安く不安を駆り立てられますが、ところがどうして、意外に悪くないという印象を持ちました。もちろん値段を考えると、の話ですが。以下に示す使用感、レシーバ・電池付きですぐに使える、2000円でおつりが来る、というのは結構凄いことだと思います。

 また、ロジクールお得意の「Unifing」レシーバに対応した無線キーボードであることも特長の一つでしょう。元々省スペースなことに加えて、ワイヤレス・軽量なので移動は自在、パソコンを操作しながらラーメンをすするにあたっても好都合ですね。(軽量なのは剛性上問題ありな部分ですが。まあお値段を考えれば…。) 単四電池を2使用して公称2年持つという省エネルギー性も、今の時期は特に脚光を浴びそうです。

 まあもちろん底辺の製品ですから、絶対的なレベルとしては、特にキーボードの本質に関わる部分で大したことがありません。以下、その点に触れながらK270の紹介をしていきたいと思います。


●そとがわ

k270_gaibu01.jpg

 外観をですね、全部納まるように撮るのは、もう諦めました。キーボードは横長過ぎなので、どうしても4:3の構図に納めようとすると無理が出てきますので。

 見た目はよくありがちな安物キーボードです。ワンタッチキーがある、ファンクションキーがワンタッチキーの犠牲になって小さい、スペースキーなどが手前に長い、手前部分が真っ直ぐでない曲線美、などなど、ぬるい人たちが気を引きそうな無駄を実装してます。ありがちですが打鍵感も安物で、軽く力を入れて打つとすぐにたわみます。

 一方見るべき点として、まずパッと見で普通のキー配置なのに程よく省スペースです。この「普通のキー配置」「程よく省スペース」というのが、意外に難しいみたいですね。K270の幅は44.5cm足らず、奥行きは15cm程度で、常用している富士通コンポーネントのLibertouch(FKB8540)と比べると、幅は1cm、奥行きは1.5cmくらい省スペースというところ。狭い机で使っていると、この1cmが大きく響いて来るものです。

 確かに安いキーボードですが、キー配置が通常の物だけに、まだ落ち着いた佇まいだな、と。煩悩が抜けないと、キー配置に手を付けて省スペースを実現する欲望に負けてしまう傾向があります。その点ロジクールも最近1つ煩悩が抜けたみたいで祝着至極ですね。

 他のキーボードと違うのは、インジケータの少なさ(CapsLockのみ)と電源スイッチの存在です。どちらも無線製品ではありがちで、バッテリを持たせるための配慮でしょう。ScrollLockやNumLockは、ドライバのSetPointを入れると、キーを押すたびに確認ダイアログが勝手に表示され、勝手に消えて行きます。

 蛇足ながら、底辺の無線キーボードとマウスをセットしているMK260という製品は、キーボードは似ていますがK270と同じ位置に電源ボタンがないような気がします。(他の場所にあるのか全くないのかは未調査。) またMK260のレシーバはUnifyingではないみたいです。


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 NumLockのキーが他と比べて小さくなっています。誤打防止のためなのでしょう。矢印キーは▲で表現されていますが、「矢印キーで…」と説明しても分からない初心者が出てきそうです。結構変わっているな、と思うのが右側のCtrlキーでしょう。Shiftキーより長いなんて…。写真では確認できませんがアプリケーションキーも長いです。これ、もう少し工夫して、スペースキーを長くすることはできなかったのでしょうか?


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 キーボード左側です。こちらもCapsLockキーが他と比べて小さくなっています。ロジクール特有の配慮ですよね。多分。英語圏ではこの位置にCtrlキーが割り当てられていますが、キーの大きさはどういう扱いなんでしょうか?


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 キー刻印確認。多分、シルク印刷の上に摩耗を防ぐためのコーティングがされているものと思われます。レーザー刻印ではないと。もちろん二色成型でもないと。この印刷方法は詳しい人がいましたが、K270方式の評価はいかばかりなものか…。さてさて、右側のアプリケーションキーの幅は、文字キーの1.75個分ほどありそうです。無駄ですね。


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 キーを外したところ。まあよくありがちなキートップ・スライダー一体型のキーです。打鍵感はメンブレンスイッチのそれで、値段からして分かる通りお世辞にも良いとは思えませんが、まあでもお値段の中では及第点じゃないでしょうか。ここは好みですね。最近の富士通のパソコンに付いてくる(すぐへたる)キーボードや、エプソンダイレクトの底辺キーボード(とてもChicony製と思えない)より好印象を持ちました。


k270_gaibu06.jpg
 参考までにK270のキートップとLibertouchのキーを並べてみました。写真が酷いのはご容赦下さい。角度を考えても圧倒的にキートップ部分の背の低さが目立つと思います。昔はキーの高さが低いキーボードはパンタグラフ構造?と誤解を誘導されそうになったものです。でもさすがに今はもうそんな誤解もなくなったように思います。


k270_gaibu07.jpg
 キーボード裏側です。足の部分。このカラーリングは結構好きだったりします。表面も含めて、色を塗っていないのですね。だから剥げない。ダイヤテック(FILCO)のExcellioなどはあっという間に色が剥げ落ちましたから。使い続けるとかえって格好悪いです。K270は色を塗ってないからみすぼらしいかと言うと、そんなことはなく、ツートンカラーでむしろ同価格帯の単色キーボードより遙かに良い見た目ですし。

 さて、滑り止めゴム部分に注目。足を立てないときに接地するゴムはドーム型をしています。これ珍しくないですか?平べったいのと比べて、机とゴムがぴったりとくっついているときのホールド感は劣るものの、中途半端に埃がこびりついて段差ができたときの平べったいゴムと比べると安定感があるような気がします。

 足は華奢です。普段立てて使わない私でも、このキーボードは足を立てて使いたくなるように感じたものですが(あまりに平べったすぎて奥のキーが打ちにくい)、立てて打つと結構たわみました。真ん中にもう2つ足が欲しいくらいでした。ただ、この足にも滑り止めゴムが付いているのですね。2000円のキーボードなんですけど…。右側にある黒い長円は、表側にジュースやラーメンのスープなど汁物類こぼしたとき、水分を下に落とすための側溝です。


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 Unifyingレシーバを格納することができます。分解して分かった点、この部分、ゴムが内側に仕込まれていて、レシーバを差し込んで勝手に抜け落ちることがないように工夫されていました。これ2000円のキーボードなんですけど…。奥と手前の長円はこれまた側溝です。


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 電池格納庫。最初から電池が入っていて、ビニールで絶縁されています。これは珍しいような…。でもアルカリ電池ですがこういう形で予め入れておいて、液漏れは大丈夫なんでしょうか?電池は単四電池2本で、公称2年持つとのこと。ただゆっくり電気を引き出すというのも、アルカリ電池の液漏れ原因ですよね。大丈夫か…?


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 嫌がらせです。左側、一カ所だけネジの溝が「*」の形をしており、一般的でないネジ回しがないとバラせません。(大きさはT8) また右側のように、一カ所だけシールでネジが目張りされています。こういうことする必要が本当にあるのですかね?

 ただ、問題はそれ以上にバラしにくい構造です。このキーボードは外側だけでネジが15カ所もあり、さらに上と左右側はたくさんの爪で固定されています。その割にプラスチックは量をケチっているのか薄く、剛性がありません。薄い上下のプラスチックを、たくさんのネジで固定することにより、強度を補強しているような印象です。で、薄くて製造中にたわんで生産性が低いので、爪で固定する必要があると。

 何やら凄い非効率に見えてきます。人手とプラスチックや金属板、どちらの方が安いのでしょう?プラスチックは石油製品なので、これを増やすのは色々問題がありそうです。でもそういうことは、パッケージの無駄を完全に省いてから考えて貰いたいですね。(このK270のパッケージは後述のようにまともですが。)

 筐体の剛性を高めると、生産性の向上だけにとどまらず、打鍵感が向上するというメリットもあります。また人手の安さにつられていい加減な会社に生産を委託をすると、闇商人に物が流れたり、管理が滅茶苦茶で工場が爆発したり、虐げられた従業員が自殺したりと、色々悪名が高まってしまうデメリットもあります。この点もう少し考えるべきでしょう。


●うちがわ

k270_naibu01.jpg
 キーボード内側です。まあこちらはあっさりと…。写真中央に見える配線がない白い部分、これがレシーバを格納したときに抜け落ちなくするゴムです。ちょうどPageDownキーの下・右矢印キーの上に位置しています。


k270_naibu02.jpg
 メンブレンシートを外したところ。ラバードームが見えますね。底辺の製品なので非常に薄く柔らかいです。少し不安です。またこの形、どこか別のキーボードでも共通だったような気がしますが…。製造元はどこなのやら……。


k270_naibu03.jpg
 ワンタッチキー部分。小さいキーなのですが、導電ゴム方式ではなく、他のキーと同じメンブレンタイプのスイッチが使われています。そうそう、右側4つのワンタッチキーはSetPoint6.2で変更できるみたいです。ワンタッチキーの「電源断」なんて明らかに地雷ですからね。これに「Windowsのロック」を割り当てておくのが良いのではと思いました。またどうせなら、左側4つも変更できれば親切ですよね…。


k270_naibu04.jpg
 制御部。安物キーボードでおなじみ、コネクタレスで制御部基板とメンブレンシートの接点同士を繋ぐ方式でした。基板右上の目盛りがたくさん並んでいるところ、ここに無線のアンテナがある模様です。


k270_naibu05.jpg
 裏側。やはりロジクールの製品は中の基板がきれいです。Libertouchほどではありませんが。まあ値段が値段。


●そのほか

 恒例のパッケージチェック。パッケージは塗装段ボールで、移動時・開け閉めの時で強度に不安を感じることはありません。パッケージの大きさも小さいです。


k270_etc01.jpg
 Libertouchのパッケージと比較してみました。パッケージの大きさは、私が口を酸っぱくして訴えてきたことで、大きいと資源の無駄遣いであることに加え、コンテナやトラックあたりの輸送量が減り、店舗での展示量が減り補充の手間が増えて従って販売量も減り、在庫スペースも馬鹿にならず、購入者は持ち運びに支障を来して、開封後の保管場所にも困るなど、パッケージを大きくして良いことなど一つもありません。傷ついてしまっては問題ですが、極限まで減らす努力を関係者は行うべきでしょう。その点このK270は良くできていると思います。


k270_etc02.jpg
 パッケージの縦・横・厚さ、どれをとってもLibertouchを凌駕します。軽量かつコンパクト、構造も単純なので、もしかしたら段ボールの厚さも減らしたまま強度を保てるのかもしれませんね。


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 おまけ。Unifyingレシーバは、パッケージを開封すると一番手前・真ん中の目立つところに刺さっていました。…このレシーバのおかげで、小さなパッケージが実現できたのかもしれませんね。有線だと断線なくケーブルを逃がすスペースが必要で、大きなレシーバだと隙間に押し込むわけにもいきませんので。入力装置のメーカとして行った努力が、回り回って周辺部分にも良い影響を及ぼしていると思われてきます。


●おわりに

 いかがでしょうか。底辺の製品としても、絶対的な尺度から見た場合でも、特に悪い印象は持っていません。それほど極端に褒めるべき点があるわけでもありませんが、昨今はこの程度も満たせていないキーボードが跳梁跋扈しています。キーが小さく隙間が空いていて打ちにくい製品など、悪貨が良貨を駆逐する勢いです。そんな中では、キー配置やスペース・コストなど基本がしっかりとしていて、無線(しかもUnifying)という特長があるこのキーボードは、良くできている方です。

 スイッチの質や筐体の剛性は1500~3000円レベルでしょう。値段の幅を取っていますが要するに値段相応です。逆に値段相応で、他に致命的な欠点がなく、上記のように見るべき点があるなら、そういう製品の存在意義はアリだな、と思いました。

 Libertouchや東プレのRealforce106から乗り換える価値があるかというと、まぁないでしょう。両者は目指す世界があまりに異なっているように感じます。ただ、パソコンを自作するにあたって、とりあえず打てるキーボードを探しているとか、パソコンに最初から付いてくる変態配列キーボードは打ちにくいので交換したいとか、壊したので急遽代替品が欲しいとか、何らかの事情でデスクスペースで食事や睡眠を取るようになったとか、その日の気分でキーボードを替えたいとか、そんな人にオススメできるのではないかと思います。

 ショップブランドやBTO系パソコンなど、購入時にキーボードを外せるのであれば、これを買った方が少々足が出ても幸せになれるかもしれません。マウスもUnifying対応品にすれば、多分CPUを1ランク下げてもなお快適になると思います。今のコンピュータシステムのボトルネックは人間ですから。

 その上で、ロジクールには、値段が倍になっても良いので、その分を打鍵感の向上に費やしたキーボードを求めたいところです。もちろんカタログの賑やかしみたいな無駄機能を徹底排除して、無駄に大きくない、手前勝手なキー配置に陥ることがない、タイピングを主目的とするキーボードの登場が待望されます。

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No title

なんだかんだで,価格を考えれば,捨てたもんじゃないですよね.

Re: No title

>azpek.asiaさん
長いこと気付かないで放置してしまいました。すみません。

このキーボード、良いと思いますよ。本当に価格を考えると。
最近K275に代替わりしたみたいですが、ロングセラーでしたよね。
それもうなずけるバランスの良さだったと思います。
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